長谷部「………ここにみかんがありますね」(文机の上にあるみかんを横目でチラリ)
主「ん?」
長谷部「俺が主のために、手袋を脱ぎ、みかんの皮を剥いて、ひとつひとつお口まであーん…… なんてしたら、どうなってしまうんでしょうね?」
主「…………っ!」
長谷部「(耳元に唇を近づけると妙に艶っぽい声で)俺の……いつも隠している、素肌……♡ 晒されるはずのないその”場所”…… クスッ…… 今、何を想像しました?」
主「ゴクリ……」
(ゆっくりと目線を長谷部の手元に移す。彼はもう片方の手で自分の手袋に包まれた手の甲をすりすり……と撫でる。その擦過音がやけに生々しい)
長谷部「……主の手はつるりとしていますが、俺の場合はそうもいかない。骨張って……血管がびきっ……と浮かんで…… 手の平なんか、少し硬くなってるんですよ?皮膚が、ね……♡」
主(心臓バクバク)
長谷部「それでも、見てみたいですか?」
主「………!!!(欲望には勝てずコクコクと頷き)」
長谷部「……ふっ。仕方ないですねえ」
(自分から言い出したくせに、”主の命だからな”と言いたげな様子でひとつ笑うと、手袋の指先をそっと摘む。ゆっくりと引かれる中、肌の面積が少しずつ大きくなる)
長谷部「ほら……♡ どんどん、見えていきますよ……♡ 」
主「……はぁ……っはぁ………」
長谷部「わかりますか? もうここから血管が張り巡らされて、凹凸ができているんです……♡ あぁ、主は本当にいけない御人だなぁ……♡ 俺の誰にも見せない場所を、こんな執務室で晒せだなんて……♡」
主(荒い息で手袋が外される様子をガン見)
長谷部「あっ……ああ………もう、全て見えてしまう……っ♡ ……あ♡」
(パサリ。畳に落ちる音と共に、片手が完全に露出されてしまう」
主「〜〜〜〜っ!!! ハーーッ……!ハーーッ……! こ、これが長谷部の……っ!執務室に差し込む日差しに照らされて………あぁっ……!!」
長谷部「……あーあ……主に見せちゃいましたね……♡」
主「ぐっ…… こんなの、いけないのに……っ!」
長谷部「まだ、もう片方残ってますよ?」
主「そ、それはまさか……!?!?」
長谷部「ふっ…♡」
(そこには片方の手袋の端を口で咥える長谷部の姿が……)
長谷部「……ん……っ、………んん…………♡(妙に色気のある吐息混じりに、手元に目線を送りながら口で引き抜いていく)」
主(こ、こんな所まで見せてくれるの……!?)
いけないと思いつつ目が離せない主。おもむろに上目遣いになった彼とバチッと視線が絡み合ってしまい……
長谷部「…………………主のえっち♡」
主「ッッッッッーーーーーー!!?!?!?!?!?!(脳が破壊される音)」
長谷部「んっ……はぁ…………… (ふいと顔を横に少し降って、咥えていた手袋を落とす) ………外し、ましたよ♡」
目の前には、あられもない姿になった長谷部の手。その肌色が眩しくて、恥ずかしくて、昼の光を纏ったそれはゴツゴツとした骨の陰影をはっきりと現し、男であることを強く主張していた。
主「っ……はっ、………はぁ………っ、はせ、べ………」
長谷部「はしたないお顔ですね?……こうやって時々飴を与えると、すぐに蕩けてしまうんですから………。この顔が見たくて、ずっと鞭ばかり与えたくなる(主の顎に手を添えて、親指で唇をなぞる)」
主「はぁ……♡(トローン……と液状化するぐらいメロメロドロドロに)」
長谷部「さあ、主……お忘れではありませんよね? 俺のみかん剥き剥きからの、あーんが待ってますよ♡」
(サッとみかんを一つ手に取ると、親指をお尻側に突き立て、器用に皮を剥いていく)
長谷部「……ほら。俺、手先がとっても器用でしょう? まぁ、このぐらいのことは御茶の子さいさい………って何ですか、その顔」
主(腑に落ちない顔)
長谷部「……(小さな声になると)練習なんかしていませんから」
主(唇尖らせてる…… 図星?)
長谷部「…………(無言でぬっとみかんの粒を差し出してくる)」
主「!?」
長谷部「食べないんですか?俺の剥いたみかん……♡」
主(スラッと長い指が、人差し指と親指で挟まれて……それを私の口に……こんなの、こんなの………!)
長谷部「あるじ……♡」
主「セックスじゃないか!!!!!!!!」
そして静まる室内。外の鳥がチチチ……と鳴くのが聞こえた。長谷部は澄ました目でこちらを暫く見据えた後に、
長谷部「そうですよ?」
主「!?」
長谷部「俺の身体の一部が、主の体内に入っていく……これが性行為でないなら、何だと言うんです?」
長谷部「さあ、俺に全てを委ねて、口を開いて……あるじ……♡」
主(生唾を飲み込み、ゆっくりと口を開く)
長谷部「目は逸らさないで下さいね。“俺“が入るところ、ちゃんと見てほしい……♡」
ぱくっ……♡
主「ん……」
長谷部「……はっ……ちゃんと入りましたね ……どうです?味は……」
主「……甘い……♡」
長谷部「よかったです♡ はい、もうひとつ……あーん……♡」
主「あーん……もぐもぐ……」
長谷部「ああ……俺が差し出さないと食事もできないようで、かわいい……」
主(下心ゲージMAX)「ぱくっ!」
長谷部「んっ……♡ あ、あるじ……っ、それはみかんじゃなくて俺の指ですよ♡」
主「知ってる。はぁ……こっちはこっちで少ししょっぱくて、癖になりそうだ……」
長谷部「……くっ、ちゅうちゅう吸われ……っ、ぐ、っ……主、ただでさえ執務室で行う蜜事……こんな所を他の刀に見られたら言い逃れはできませんよっ♡(ノリノリ)」
主「いいじゃないか、見せつけてやれ」
長谷部「そんな、ご無体なぁ……っ♡」
主(それ言いたいだけだろ)
長谷部「もう……悪いことをしちゃ、めっ……ですよ♡(ぎゅっと舌を掴む)」
主「むぐっ!?」
長谷部(力加減しつつ、舌を引っ張って外に出してくる)「こうやって絞れば……」(サッと顔を近づけて口を開け、舌から滴る雫をキャッチ)
主「んっ…………」
長谷部(口を閉じてごくりと嚥下。喉仏が上下に震える) 「ふむ。糖度は高め……か」
主「…………………………(余りの刺激に頭がクラクラ」
長谷部「はい、あーん」
何事もなく再開されるみかんのあーん。いつも清楚で禁欲的な長谷部から素手で与えられる「飴」は、甘美でエロティックで……裸で交わるそれよりもいけないことをしているような気分だった。
〜おまけの食後〜
長谷部「………主、お疲れ様です。はぁ……もう暫くは見納め、ですね」
(見せつけるようにゆっくりと手袋を装着)
主(もう暫くは……ってことは、また今度があるってこと…?)(心臓バクバク)
長谷部「もう……いつまでそんな顔しているんです。俺たちがしていたこと、悟られてもいいんですか?」
主「ハッ……!」
長谷部「………お茶を入れてきます。戻ってくる時には、いつもの主と近侍……ですから」
(障子を閉め、スタスタと行ってしまう)
主(どうしよう…… 私、普通の主従関係に戻れるの……?)
しばらくぽーっと茫然自失。長谷部はというと、お茶を手に帰ってきた頃にはいつもの近侍の顔に戻っていた。自分ばかりが動揺してしまう。そして、執務中に書類を整えたり、ページを捲る手を目が追ってしまい……
「………?」
不審な目で見られるのである(なんでだよ)(お前がえろいことしてきたんだろが)
おわり